猫のうしろすがた

月に一回くらいのペースでアップしている、猫ブログ。何となく思い立って、猫との出会いやその生活について書いているんだけど、「猫のブログ読んでます」というありがたいお言葉や、「猫についてもっと頻回にアップしてくれ」というありがたくない督促など、いろいろと賜る。

初回は2014年にニコを連れ帰った時の事を書いて、前回は2016年春の出来事を書いた。

 

過去に起きた事を、いま書いている。

 

なんだけど近頃、「手術から少し経って、元気になりました?」とか「寄生虫、治って良かったですね」などと仰ってくださる方がボチボチいらして、まあ都度都度「あれは10年ほど前の事、つまりは現在進行形ではなくって、今は健やかでバッチグーなんですよ」などと説明すればいいだけなんだけど。

本ブログの内容によって、気を揉んじゃう人がいるという事態はどげんかせんといかんので、“過去に起きた事を、いま書いている。”と印象づける為に、ここ10年で保護した猫について、今後の記事に先んじて紹介しておこうと思う。

ニコ。2014年に保護。現在11歳くらい。サビ柄の雌。共に生活している。

日本ではサビ(錆)と表現される柄は、欧米ではべっ甲柄と呼ばれるらしい。サビよりべっ甲の方が、高級感たっぷり兼ハイソサエティーな感じがして良いなあ。サビをべっ甲と呼ぶ世の中になったら、サビ猫全体のイメージアップに繋がり、ひいてはニコの品格も爆上がりする様な気がする。

基本的にのんびり生活しているけど、腹が減ったと騒いで、毎朝四時に起こしにくる。休みで自宅にいると、夕方四時に腹が減ったと騒ぎ出す。ニコの腹時計のタイマーは、四時にセットされているらしい。

私が初めて生活を共にする事になった猫なので、いつになっても、いつでも特別な存在。

サン。2015年に保護。現在10歳くらい。三毛の雌。共に生活している。

保護した当初、獣医も「あちゃ〜」っていう表情になっちゃうくらいヒドい状態で、「もしかしたらダメかも」とも思ったけど、驚異の回復力とは正にこの事で、難局を軽々と乗り越え、スクスクと育った。

身体能力に優れ、自宅内にはサンにしか行けない秘密基地みたいな場所が多数あって、同居の猫と小競り合いがあったりした際は、基地に篭ったりしている。普段は譲り合い精神満載の優しい猫だけど、ちゃおちゅ〜るに目がなくて、その時だけは他の猫を押しのける割り込み精神がエグい。

自宅に立ち寄った誰もが見惚れる、美形猫。

ゴマとシオ。2016年に保護。ゴマは菊川市で暮らしている。シオは浜松市で暮らしていたが、数年前に亡くなった。

発見してから保護して家に連れ帰るまでに、半日以上掛かった。ありゃ大変だった。獣医さんがおそらく兄弟だと言ったので、繋がりを感じる名前にしたいと思って、ゴマ・シオ(胡麻塩)と名付けた。いろいろ考えて、初めて里親さんを募集した。同年、とっても素敵な里親さんに迎えてもらえた。

ゴマは人懐っこくて、シオを守ってあげようというお兄ちゃん気質が垣間見える、強い猫だった。ゴマの里親さんがくれる手紙が、楽しみで仕方ない。

シオが急病で亡くなった事は、里親さんからのメールで知った。手を合わせに行きたかったし、迎えてくれてありがとうございました、と里親さんに直接伝えに行きたかったけど、迷惑かもしれないなぁと思って、連絡すら出来なかった。その事を今でも少し悔やんでいる。おっとりとした性格の、優しい猫だった。

ラク。2018年に保護。現在7歳くらい。白多めなサバ白の雌。共に生活している。

ミーミーという声を頼りに、保護しようと姿を探している時、チャリに乗ったスナックのチーママみたいなオバちゃんが手助けしてくれた。保護した地の町名から取って、ラクと名付けた。ゴマシオを里親さんに迎えてもらった日から、次に保護する事があったら自宅に迎えようと心に決めていたので、ラクには我が家で生活してもらっている。

箱入り娘として育ててしまったせいか、ニコとサン、特にサンに対しての当たりが強い。自分のヒョウキンな見た目に劣等感を抱いていて、美形猫に対して嫉妬しているのかもしれない、なんて思ったりするけど、猫がそんな事を思っている訳もなく、ただ面白がってちょっかいを出しているだけなんだろう。

最近、どうすれば構ってもらえるのかを覚えた様で、やたらと甘えてくる。声も存在感も仕草も、あらゆる要素が妙に可愛い。

フジ。2023年に保護。静岡市で暮らしている。

保護した当初は、顔に傷があったり、足を怪我していて痛そうだった。家に連れ帰ってジーっと見てみると、シティーハンターの海坊主みたいなルックスで、「里親募集しても、これじゃ立候補ゼロかもな」と思っていたんだけど、数日後、募集もしていないのに里親に名乗りをあげてくれる、神みたいな人が連絡をくれた。

富士市で保護したので、そのまんまフジと名付けた。フーちゃんと呼んでいた。共に過ごした期間は10日くらいだったけど、海坊主の様な顔はみるみる内にスーパーウルトラ可愛くなった。めちゃくちゃ甘えん坊で、同じ部屋で寝ると顔のそばに寄ってきて、寝息を聞かせてくれた。

フーちゃんが元気でいてくれさえすれば良くて、本当にそれだけでいいんだけど、里親さんのお家に連れて行った日は、とっても切なかった。もう会う事はないけれど、里親さんが時々お店に来てくれて、今の様子をスマホで見せてくれるのが嬉しい。

アサとマリ。2024年に保護。アサは富士市で暮らしている。マリは静岡市で暮らしている。

私が遠出していた時、相方が一人で、粘り強く一生懸命に保護してくれた。保護した地の町名からアサと名付け、困り顔をしていたのでマリと名付けた。とってもとっても仲が良くって、いつもいつも寄り添い合っていた。里親さんを募集すると、どちらか一方ならという方々が連絡をくれた。「二人で一緒にいたいかな?」と聞いてみたけど、アサとマリの返事を私は理解できない。気持ちを汲み取ろうと努力はしているけれど、分かってあげられていないんだろうな。

別々の里親さんに迎えてもらえる事になった。何度か経験したから、里親さんのお家に連れて行くのにも慣れてるかなあと思っていたけど、全然ダメだった。アサの時もマリの時も大泣きした。たまにメールで近況を連絡してくれて、アサとマリが穏やかに暮らしている様子を垣間見れて、本当に良かったなあと思う。

 

糸デンワ

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